こんにちは。双極性Ⅱ型障害のとび太(@umayano2)です。
双極性障害の人向けに、うつ/躁といった、『気分』を記録できるアプリ(気分管理アプリ)を、ランキング形式で紹介します。
順位は、【見やすい気分のグラフをつくれるか】で評価しました。
▽比較してみたアプリはこの10個。
ストアで[双極性障害][気分][記録][睡眠覚醒リズム表]といったキーワードで検索して出たアプリから、ぱっと見のデザインで選びました。
双極性障害の一当事者として、これらのアプリを実際に1ヶ月(2020年6月)使ってみた感想を、率直にお伝えさせていただきます!
目次
そもそも【気分管理アプリ】って必要?
双極性障害の人に気分管理アプリが”絶対”必要、とは思いません。
なぜなら、気分の記録ツールは、アプリ以外(たとえば紙の表≫睡眠覚醒リズム表)もあるからです。
でも、【記録を付けること】は自体は、すーーーっごく!おすすめです。
『気分』に気づき、波を見つけ、波の原因を探していく…。
記録ツールの存在があるだけで症状が改善する!くらいに私は思っています。
気分のグラフができれば、診察の時に見せたりもできます。
気分を記録する方法はいろいろありますが、アプリのメリットは、やっぱり手軽さ。
紙の表とか手帳とかに比べて、スマホのアプリならいつでもどこでも(布団の中でも!)記録できる。
思い出したときにサッとできるから、続けやすいですよね。
お好みでリマインドを設定しておけば、記録忘れも防げます。
気分管理アプリを選ぶときのポイント
ここはぜひチェックしたい!と思うポイントをまとめました。
その1:『気分のグラフ』が見やすいかどうか
気分管理アプリの役割として1番重要だと思っているのが、『気分のグラフ』を作る機能。
ただ作るだけでなく、グラフが見やすいかどうかもとても重要だと思っています。
何月何日に、どんな気分(鬱/躁/混合状態など≫気分の種類)になったのか?
が、ひと目で分かるグラフが作れるアプリがおすすめです。
その2:1日に何回も記録できる
双極性障害の場合、1日の中で気分の上がり下がり(日内変動)がある人もいると思います。
私は朝鬱っぽくて、昼は上がり、夜イライラしてしまうことが多いです。
双極性障害ならば、そういった日内変動を記録しておくのがおすすめです。
つまり、気分を1日に何回も記録できるアプリです。
日内変動をそのまま(平均を取ったりせず)グラフ化できると更に便利ですが、
グラフを作れなくても、後で紙に書き出すという方法もあります。≫リズムダウンロードページ
日内変動を記録→合算せずそのままグラフ化できるアプリは探し中です。すみません。
いつか見つけたら、またレビューさせていただきますね。
その3:カスタマイズ性
記録するところ(入力するボタンなど)を自分好みにカスタマイズできるかも、すごく重要です!
アプリを初めて使うときに手間はかかってしまいますが、自分にぴったりなボタンを作っておけば、あとは毎日そのボタンをぱぱぱっと押すだけ。
カスタマイズ性がいいと、記録がとても早いんです。
記録するのは毎日のことですから、なるべく短い時間、できれば数秒〜1、2分で入力できるアプリだと、もっと続けやすくなると思います。
その4:気分と要因の関連づけ
気分以外のことも記録できるタイプのアプリなら、それらの項目と気分の関係をつなげてくれる機能があると、さらにいいと思います。
『鬱や躁のときに何があったか?』ということを知ることができるからです。
統計データは、自分では気づけなかったことも気づかせてもらえるかもしれません。
私は、鬱になりがちな要因に、寝不足や天気、人の刺激、甘いもの…などがあると思っていたのですが、アプリを使ってみて、「思ってたよりこれ関連してたなぁ〜」とか「意外と関係なかったなぁ〜」とか気づくことができました。
その5:気分が上がるデザイン
気分の記録は、毎日コツコツ、どうしても地味な作業になりがちです。
そこで、ぴーん!ときたアプリを選んで、ちょっぴりでも癒されたり、テンション上げてもらいましょう。
シンプル系やほんわか系、外国風、お洒落な感じ…。
迷ったらデザインで選ぶのもアリだと思います。
双極性障害におすすめ【気分管理アプリ】徹底比較ランキング!
どのアプリもそれぞれ魅力があって順位をつけるのが悩ましたかったのですが、
このランキングでは、
『気分の波のグラフ』を分かりやすく作れるかどうか
を選考基準に考えました。
目指しているのは、私が普段つくっている、下の図のような睡眠覚醒リズム表のグラフです。
▽ランキングを作成した期間と同じ2020年6月の気分の波
※縦横の縮尺は変えてあります。≫元の表
私が実際にアプリを使ってみて「ここがよかった!」「ここがイマイチだった…」と感じた点を率直に書かせていただきますので、あとはお好みで、ご自身と相性のいいアプリを見つけてもらえたらと思います。
それでは、ランキングを紹介いたします〜!
第1位:Daylio
このアプリが作ってくれる気分のグラフが個人的には1番見やすかったです。
▽気分の波のグラフ
日付が細かく入るので見やすい。こういう日付が入るアプリが意外と少ないんですね。
グラフは1ヶ月分ごとの表示ですが、有料のプレミアムにすると、過去のグラフを全部繋げて見れたりするみたいです。
Daylioの入力は、まず気分を選んで…
▽初期状態5種類で、私は2つ足して、7種類にしています。
▽どんなことがあったか選ぶ、2ステップ。
▽記録の一覧はこんな感じ。
1日に何回でも記録できます。
加えて、Daylioはカスタマイズ性もとても良いです。
▽たとえば、『気分』の顔のイラストや色、名前を変えられたり…
▽私は2つ足して、7段階にしてみました。
▽その日にあった出来事(このアプリでは”アクティビティ”と呼ぶ)のアイコンも、こんな感じのが9ページくらいあって、そこから選べます。
また、ホーム画面でアプリのアイコンを長押しすると、気分の記録画面にすぐ行けたりもします。
さらに、[統計]というところで、出来事を気分のグラフに重ねる機能が付いています。
▽1番右が、気分のグラフに出来事(ここでは『寝不足』)を点で重ねてみたところ
気分の波が大きいときに、どんな要因があるのかを探すのに便利に使えそうですね。
リマインドは1日何回でもOK。しかも、リマインドしてほしい時間やテキストも設定できます。
(手順:[右下のその他→リマインダー]だと1つしか設定できないけれど、[その他→目標→どれかを選択→通知}から設定すれば、何個でもOK)
ちょっと気になる点は、アメリカンというか、外国のアプリをそのまま直訳しました感というか、
あとは、有料版(プレミアム)へのアップグレードをあちこちで勧めてくることでしょうか(音は出ないので許せました)。
▽たとえばこういう広告。
(割引率は日によって違っているみたいです。70%引きも見かけました。)
▽謎の称号を与えられたりします。
『気分屋さん』とか言われても、仕方ないわ!って思っちゃいましたよね。(でもこっそり励ましてくれたりもしてくれますよ…!)
このようにいろいろな機能が使えて、しかも『無料』!
個人的には、Daylioは有料(しかも月額)のプレミアムにグレードアップしないで、無料のままでも十分使えると感じました。
アメリカンな感じや広告が気にならない人には、Dailo がおすすめです。
もっとおしゃれで、広告が無いアプリが良ければ、3位のMoodistoryを見てみてください。
第2位:リズムケア
カスタマイズ性が1位2位と並ぶほど良いリズムケア。
フラットデザインで統一されているのもあって、すっきりした感じも私は好きです。
特に、睡眠時間を記録したいなら、リズムケアがおすすめです。
睡眠覚醒リズム表が好きな方はリズムケアを取り入れやすいかもしれません。
▽入力画面はこんな感じ
▽気分のグラフはこんな感じにできました。
今回記録した時は、『グラフビューア』という、複数のグラフを並べて見れる機能がなぜか表示されず…。
でしたが、インストールしなおしたら使えるようになっていました◎
このグラフビューアは、かなり高評価です。
さらに、リズムケアで、すごい!と思ったのは、記録したい項目(リズムケアでは『アイテム』と呼ぶ)ごとに、すべてで『データタイプ』を選べること。
たとえば私は、『気分』を〈5段回表示〉に、『薬の服用』を〈チェックBOX〉に、『昼寝』を〈カウンター〉にしてみました。
▽データタイプはこんなにたくさん。
どんな風に『数値化』までカスタマイズできるのはリズムケアならでは。
リズムケアは、記録のページが1ページで済むので、1度もスワイプせずに、たたたたっと入力できます。
このため、いろいろ記録できる上に、入力も早いです。
リマインド機能は付いていません。しかし、それはスマホ本体で設定すれば代用できるかもしれません。
第3位:Moodistory
洗練されたデザインを感じるMoodistory。
やっぱり有料アプリは充実していますね。
機能や操作感は1位のDailioに似ています。
「Dailioよりもっとデザインがオシャレなものがいい!」という人にはMoodistoryがおすすめです。
そんな、一位のDailioと並ぶくらい良いMoodistoryでしたが、『有料(¥610)』ということで順位を下げさせていただきました。
▽気分のグラフは、中心に軸がある棒グラフで表示されます。
グラフの期間は、[過去30日間]〜[すべて]と、幅広く選べます。
Daylioと同じく、気分は1日に何回でも入力できます。
気分は、2〜11段階で選べます。私は7段階(-3〜+3)が記録しやすかったです。
▽記録画面。7段階のうちの4つの表情。
そして、さらにMoodistory も、『気分の要因との関連づけ』もしてくれます。
▽統計データは1ページにまとめて表示
Moodistory の『色でぱっと見て分かる』という特徴は、記録の日数が年とか、データすごく多くなってきたときにもっと生きてきそうだなぁと思いました。
リマインドも、回数も時間も自由自在に設定できます。
▽通知はたとえばこんな感じ。直訳感が、外国製のアプリなんだなぁと。
イカさん?みたいなキャラクターの言葉遣いも優しくて、こっそり癒されちゃったりしてました。
Moodistoryは、お金はかかりますが、きっと納得できる買い物になるでしょう。
第4位:ここち日記
記録するのは3つ、『気分』と『日記(文字入力)』と『写真』だけという、ここち日記。
実は、記録を付けるのがいちばん楽しかったです。
グラフも、求めるものに近い出来上がり。
記録は、1日1回のみ。
写真は文章の間にも入れられます。
▽左が入力画面。
写真も一緒に記録しておくと、後で見返したときに「あぁ〜このとき嬉しかったなあ」とか、そのときの”気持ち”ごと思い出せるのがいいなぁと思いました。
落ちていた毎日でも、あぁけっこう充実してたんだな…とか、気持ちが少し柔らかくなりますね。
写真のアルバムは、スマホの写真フォルダのようにスクロールで見れますよ。
▽リマインドはこんな感じ。
ここち日記は、日記&写真重視という人におすすめのアプリです。
第5位:こころカルテ
SNSが特徴の、こころカルテ。
気分を記録するときに、『自分へのツッコミ』と一緒に記録するところも気に入りました。
自然と、自分を客観的に見る練習になるから、『プチ認知行動療法』になりそうですね。
こころカルテでは、1日に何回でも記録できます。
気分のグラフも、気分が合算されずそのままグラフになります(おそらく)。
しかし、日付とかの間隔がまちまちになってしまうのと、1ヶ月分が1ページでまとまらないので、使いにくく感じてしまいました。
また、SNSと言うだけあって、他人と関わることができます。
私はSNSに苦手意識があったのですが、関わりたくないときは非公開にすればOKですし、Twitterとかほど真っ正面からはボールが飛んでこなくて、気楽にオープンにできました。
Twitterや Facebookで言う、『いいね!』みたいな感じで、他のこころカルテユーザーに『応援』を付けてもらえたり、コメントし合えたり、何も無かったりします。
自分以外の人の『気分』がどんな感じか知れるのも面白かったし、自分を客観的に見るのに役立ちそうだなと思いました。
他の人の存在が、記録を続けるモチベーションになってくれるかもしれません。
こころカルテのもう一つ残念なところが、広告のわずらわしさ。広告がちょくちょく出てくる上、動画(5秒間は続く)なんですね。
しかも、音が急に出る。音量も大きい。
何度びっくりしたことか…。
広告が出たら一瞬でアプリを閉じられる反射神経が鍛えられました。
第6位:Mr Mood
スーパーシンプル!
一瞬で記録できます。
笑顔にも癒されました。
英語のままですが、読まなくても支障なく使えると思います。
表情を選んだら、あとはスワイプする4ページほどで全てが完結します。
メモも書けます(棒グラフの首?のところにリボンが付きます)。
▽グラフを並べるとこんな感じ。
リマインドは1日1回。時間も設定できます。
▽文章は毎回これ。
Mr Moodは有料(¥120)です。
とりあえず気分だけ記録できればOK、このデザインにぐっときた!という方へおすすめです。
第7位:Mooback
これもまたThe、シンプル。
一瞬で記録できるアプリその2です。
似ているMr moodと違うのは、1日に何回でも記録できること。
しかもそれがそのままグラフに反映されるのも◎。
▽グラフはこんな感じ。
表示できるグラフの幅は最大2週間。
遡るときに1日ずつタップし続けないとならないのが手間で、マイナスポイントでした。
メモも入れられ、気分と一緒に一覧に出てくれます。
しかし、ほんとに残念なのが、過去の記録を編集できないこと(削除のみ)。
なので、振り返って「あ、あのときの気分はやっぱり〇〇だったな」と思ったときにデータを変更したり足したりできないままグラフが作られてしまう…。
双極性障害だと、波の渦中にいるときは正確に気分を自覚できないので、できれば後で編集・追加・削除できると嬉しいですね。
(近々改善されるそうで、Moobackは、ますます使いやすくなりそうです!)
第8位:Kibunlog
Kibunlogは、回数としてはいちばん入力した気がします。
KibunLog の特徴は、気分を『言葉』で表すこと。その点はこころカルテとも似ています。
気分を表す言葉、『気分カテゴリ』の選択肢がたくさんあって選びやすいですし、自由に変えたり追加できます。
同時に、「今とっさに頭によぎった考えは?」という風に訊いてくれるので、あまり考えずに秒で記録できました。
1日に何回も記録することができます。
しかしなぜこの順位なのかというと、グラフがちょっと残念に感じたからです。
滑らかにつながっているのですが、どこが何日だったのか読み取りにくいと感じてしまいました。
KibunLog もSNSの機能があって、『ソーシャル』というところが、LINEで言うトークルームみたいになっています。
同じSNS付きのこころカルテよりも、SNS感は優しめに感じました。
テーマがざっくり決まっていますし、気楽に入りやすそうです。
『自分がどんな気持ちになりやすいか』『不安定なとき、どんなことを考えがちか』といったことを知りたい!という人にKibunLog はおすすめだと思います。
▽KibunLogのリマインドには癒されました。
優しいお姉さんが声をかけてくれているような…。
かわいいんですが通知が多いので、こんな感じに溜めてしまってました(笑)
第9位:睡眠手帳
私が、紙の睡眠覚醒リズム表ヘビーユーザーというのもあって、迷わず購入(¥250)&インストールしたのがこの睡眠手帳。
気分は、『朝/昼/夜/今日』に分かれていて(それぞれ顔文字と◎◯△▲×という感じ)、そこからタップするだけで入力できます。
しかし、1ヶ月してから気づいたのが、気分のグラフを作れない…ということ。
(あらかじめ調べておけですよね、すみません。)
▽気分を一覧で表示してくれる(下の図でいうと1番右)のですが…。
また、睡眠手帳は、スワイプでめくれないところ(『戻る』で戻るところ)など、操作性が少し残念でした。なんとなくガラケー使ってる気持ちになるというか…。
時間を入力するときのピッカーが15分刻みなのは入力しやすかったです。
第10位:Bipolar Diary
第10位は、ごめんなさい、Bipolar Diaryです。
アプリの説明書きにあった、このアプリのコンセプトは素晴らしいなと感じました。
双極性障害のこと、症状改善のことがよく考えられ、配慮されていたからです。
▽グラフは2週間ごとの表示。
残念だった点は特に、操作性。
また、個人的に気になったのが、気分を11段階で選べるのですが、『イライラ』が『+』側になっているところ。
確かに、双極性障害で『イライラ』は躁のときに出るとよく見聞きしますから、それを反映されているんだと思います。
私はどちらかというと『−』側で考えているので、合いませんでした…。≫私の気分の種類
それでは、以上で、双極性障害向け気分管理アプリの比較ランキングでした。
足りない機能は他のアプリで足せばOKかも
私は、ランキングを作ろうとしはじめた時、気分以外にも、いろいろなことを記録&グラフ化できるアプリが良いのかな、と思っていました。
気分のグラフと見比べることができれば、気分と出来事の関連性が見つけやすい(自分がどんなときに不安定になりやすいか分かる)と思ったからです。
しかし今回、気分管理アプリを1ヶ月間トライアルしてみて、
気分以外の項目は、それぞれの記録に特化したアプリを使う方が、満足いくグラフを作れそうだな、と感じました。
もし診察で見せたいときは、それぞれのグラフをスクショしたりして、画像合成アプリで並べればいいかも、という結論に至っています。
【まとめ】記録アプリは続けやすいのがいちばん!
10個の気分管理アプリを比較させていただきましたが、気になるアプリは見つかったでしょうか?
とにかく、双極性障害の気分の記録は、続けることがとても大事!
記録は、できるときだけでいいと思いますし、空白になる日が続いてもいいと私は思います。
抜けてもテキトーでもいいから、コツコツ続けていく。
気分管理は、長ければ、何年、何十年のお付き合いになりますから…。
アプリも、どんどん乗り換えていくのも新鮮ですね。
今回紹介したアプリは10個でしたが、他にも気になる双極性障害向けの他のアプリ(日本語ではないものを含む)を見かけたので、いつかそちらも試してみたいと思っています。
最後に、
アプリを使うタイミングは、寝る直前すぎるとブルーライトを浴びてしまって眠りを浅くしてしまいそうなので、できれば、お布団に入る前がいいと思います!
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