こんにちは。双極性Ⅱ型障害のとび太(@umayano2)です。
双極性障害の『気分の種類』としてよく耳にする、【混合状態】。
混合状態は、『鬱と躁が混ざった状態』と言われますが、どういう状態なのか分かりにくいですよね。
『鬱のネガティブさと、躁の頭の回転の速さが混ざった状態』という表現も聞いたことがあります。
私も、双極性障害と診断されたばかりの頃は混合状態がどんな感じなのか分かりませんでした。
現在は以前より感覚がつかめてきた気がするので、
当事者目線で「混合状態って何?」、「混合状態ってどんな感じ?」という疑問にお答えしたいと思います。
ちなみに私は、自分の気分の種類を5種類くらいに分けて考えています。

そのうち【混合状態】は、なんとなく3種類くらいあって、
- イライラ
- 思考促迫
- サイコパスモード
です。
私は、混合状態が強まると、ヒステリーを起こして号泣したり、過食嘔吐してしまいます。
目次
混合状態その①:イライラ
『イライラ』は、人によって鬱だったり躁だったりするかもしれませんが、私は『イライラ』を混合状態にカテゴリーしています。
どうしようもなくイライラが湧き上がってきます。
モノにも、周りの人にも、自分にも、空間にさえイライラ、ムカムカ。
うわー!!っと叫んで引き裂きたくなります。
私は、イライラしているときはよく、
といった気持ちが起こります。 |
被害妄想もひどいです。
「あの人はなんであんなに私にイライラしてるんだ」と、実際は相手はどうか分からないのに勝手にイライラ。
性格悪い感じ、メンヘラな感じになります。
疲れていると、イライラはさらに悪化しやすいなと思います。
混合状態その②:思考促迫(しこうそくはく)
考え事がばーーーーっと頭に浮かびまくります。
思考促迫とは、
考え、音楽、感情、映像などが連想的に次々と湧き上がってきて、それをコントロールできない状態
脳がフル回転です。
とにかく、頭の中がいっぱい。
アイディアも、不安なことも、思い出も、とめどなく湧いてきます。
考えが浮かぶと同時に消えていくので、「忘れたくない」と、ノートに書きなぐったりします。 |
思考促迫の気づき方
自分で思考促迫に気づくには、『今いくつ同時に考えている(作業をしている)か』を数えるのがおすすめです。
私は、最大4つでした。
たとえば、
ということがありました。 あーうるさい!と感じて、これは普通の状態ではないと気づきました。 思考促迫のときは、本を読んでいても何度も同じ列を読み返すことになりがちです。 |
同時に物事を考える、というのは、普通の人にも普通に起きていることなのですが、双極性障害だとその程度が激しいんだと思います。
同時並行で脳がいろいろなことをやり始めるのは、ぱっと見、便利というか効率いいというか、そんな感じがするのですが、
結局はどれもちぐはぐで中途半端になってしまうので、
「すごくやった感じ」があるのに振り返ったら大して何もしてないことも多いです。
似ているなと思うのは、パソコンのCPUです。パソコンも、色々な作業を同時並行でやれますが、いろいろ同時にやりすぎると結局は作業スピードが落ちたり、最悪フリーズしますよね(最近のパソコンならならないのかな)。 |
思考促迫は、脳がフル回転、いや120%くらい稼働している感じなので、長時間続くと疲れますね。
自覚としてネガティブさとかHappy感とかは無いので、自分で気づくのが難しいのが厄介です。
音楽を小さく流したりすると、脳の回っているところが1つ使われる感じで、他のことを少し集中して考えられるようになったりします。
混合状態その③:サイコパスモード
危険人物と化します。
「ヤバい人」です。
そこまでならなくても、思考がヤバくなったりします。
破滅的
鬱由来の負の感情は、否定や攻撃といった形で現れてくると思います。
「なげやり」「どうでもいい」も強くなります。
誰かのことも、自分のことも大切にしようと思いつきません。
軽い感じで実行する
躁由来の衝動の強さと速さが危険な思考を後押しします。
そして一瞬で、やってしまいます。
衝動が鋭すぎて、ためらったり、悩む瞬間すら無い感じです。
そして、これも躁由来なのか、なんか自信に満ちあふれています。
ものすごく自分が正しいと思い込む。
100%で断定する感じで、疑い0。
論理の破綻。思考の飛躍。
サイコパスモードのとき、自分では、「自分は今、正常」と思っています。
自分にうっとり、ニヤリとしてしまうときも。
そして、ヤバいことを実行してしまうのです。
私のサイコパスモードのサインその①:「あの人」 いつも「〇〇さん」とか読んでいたのに、混合状態のときは「あの人」という表現になりがちです。これは指摘されて気づきました。 その②:「分かってしまった…」 根拠の無いことに確信を覚えます。私は誰かの気持ちを決めつけがちで、たとえば「あの人が〇〇をしたのは、△△を企んでいたからだ」とか、「あの人は私のことが嫌いだ」とか、激しく思い込みます。 |
また、頭が回りすぎるせいか、体の感覚が遠いのかわかりませんが、混合状態のときは疲れをあまり感じません。
混合状態はなぜヤバいのか?
混合状態が危険だと思う理由は、衝動が強すぎることに尽きると思っています。
車にアクセルとブレーキがあったとしたら、両方MAXで踏む感じ。
ガガガガガ…と頭の中が言っているような感覚があります。
自傷行為をする
混合状態の攻撃性は、自分にも向けられることがあります。
それが表れたものの1つが、『自傷行為』です。
双極性障害のすべての人が自傷行為をするわけではないと思いますが、人によっては、切ったりする自傷とか、過食(過食嘔吐)とか、ODなどをしてしまうと思います。
なぜ自傷行為をしてしまうのか?
混合状態のときに自傷行為をしてしまうのは、暴走する自分にブレーキをかけるためだと思います。
自傷行為をすることで、湧き上がる激しい衝動を、なんとか抑えよう、抑えようとしているのです。
自分の身体を犠牲にしてまでも、自分を守ろうとしているのです。
私は過食嘔吐をすると、ぼーっとなります。切る方の自傷は1度だけやってしまったことがありますが、一瞬でスッと落ち着いた自分にびっくりしました。薬並に鎮静効果があるなと思いました。 |
また、
混合状態のとき、頭が回りすぎるせいか、息が苦しかったりすることもあります。
そうやって身体がしんどいときも、私は自傷(過食嘔吐)したくなったりします。
なので、もし自傷をしてしまったとしても、「自傷することで自分を落ち着かせているんだ」と考えて、自分を責めすぎずにいてほしいです。
自殺もありえるな~と思えたりする
自傷が自分へのブレーキだとしたら、自殺は『解放』のような感じがしています。
実際自殺を図ったことはないのですが、「あ、死のうかな」と思ったことがあります。
とても軽い感じでした。
その軽さのイメージは、音楽を聴いているときに次の曲に飛ばしたくなるとか、温泉に入って気持ちよくなりたいな~という感覚に似ていました。
ひょいっと自殺しそうだなと思いました。
双極性障害の人の自殺率が高い(24%くらい?)のも納得してしまいました。
混合状態のときは衝動がとても強いために、一瞬で事を犯してしまうのだと思います。
自殺企図した人の「気づいたら縄に首を通してた」、とか、よくある犯罪者の供述の「むしゃくしゃしたからやった」、も、わかりみです。 |
私も、やったのは自分だと分かるのに、なんでやったか分からないことがあります。
悩んで苦しんだ末の自殺もあると思いますが、
双極性障害の自殺には、「死にたい」という理由すら無いこともあるのではないでしょうか。
混合状態は人によってかなり違う
上記のように、混合状態をイライラとか、思考促迫とか、サイコパスモードという呼び方で紹介してきましたが、
症状の出方は本当に人それぞれです。
私のような混合状態が当てはまらない人ももちろんいますし、症状が混ざって区切りができないことも多々あると思います。
体調が悪くなる人もいる
また、人によっては体調不良が出やすい人もいると思います。



私はよく、バクバクしたり(動悸や息切れ)、視野が狭くなったり(視野狭窄)があります。
「症状が出ている」と自覚できればOK
いずれにしろ、大切なのは、自分で気づき、
混合状態になっている=『症状が出ている』『調子が悪い』と自覚することだと思います。
なので、混合状態の呼び方自体は何でもいいんだと思います。
ご自身の症状の出方に合わせて、オリジナルな名前を付けてみてください。
睡眠覚醒リズム表にどう書く?
混合状態の困るのが、記録をつけるときに鬱の側か躁の側か、どっちに書けばいいのかということではないでしょうか。
たとえば、私が使っている睡眠覚醒リズム表では、気分を-2~+2の5段階で分け、数字で表します。



混合状態は数字で表すとどこなのか?難しいですよね。
ちなみに私は、混合状態を鬱側に記録しています。Happyな感じはあんまりないからです。 そして、鬱との違いが分かるように、気分の波のとなりに「イライラ」などの言葉や、顔文字で書き込んでいます。 ▽実際のリズム表(青い線が気分の波) ☆自分が分かれば大丈夫!☆ |
アプリの場合は、アプリによって数値化の仕方も様々あるので、自分の混合状態と合うアプリを選ぶといいかと思います。
混合状態の対処法:薬で叩く!
実際に混合状態になってしまったときは、どうすればいいのでしょうか。
私は、薬を飲んでしまうのがいちばんだと思っています。
口にポイッと放り込むだけでいいですし、効果も強く、安定しています。
混合状態は、双極性障害の脳の機能障害から出てくる”症状”なので、自力で抑えようとするのは至難の業です。
戦って結局飲まれてしまうのならば、薬の力を借りるのが早いと思います。
安定剤や抗不安薬などの頓服薬を、いつでも飲めるように常備しておきましょう!
混合状態を予防するには
いったん混合状態になったらブレーキかけるのは大変。
混合状態を”起こしにくくする“ために、
下の方法も取り入れてみてください。



まとめ
それでは、もう一度まとめると、
【混合状態】には、
- イライラ
- 思考促迫
- サイコパスモード
がありました。
しかし、これは私の1例で、混合状態の症状の出方は、人によって本当に様々です。
私のように自傷(過食嘔吐)が出る人もいますし、
体調が悪くなる人もいます。
自分の混合状態がどんな風なのかを知って、混合状態=『調子が悪い』と自覚してみてください。
そして、混合状態が激しいときには、薬に頼ってみてほしいです。
おわりに
混合状態について、私なりに紹介させていただきました。
私が、自分が「波が大きい」「ヤバい」と感じるときは、だいたいがこの混合状態で、
過去の、双極性障害の診断を受けていなかった頃を振り返るととても激しかったなぁと思います。»気分安定薬を飲み始めてからの「気分の波」1年半分総まとめ!
最近は、気分安定薬(ラミクタール)のお陰もあり、波の大きさも抑えられているように思います(やはりたまに荒れますが…)。
実は、これからもどうせまた混合状態になるんだろうな…と諦めている自分もいます。
双極性障害だもの、仕方ない。
でも、なるべく混合状態波を小さくできるよう、
ときには逃げたり、誰かに頼ったりしながら、混合状態と向き合っていきたいと思っています。











馬のいる宿の実現を目指しています。
2021年に北海道・十勝に移住。
2歳児の子育て中。
双極性Ⅱ型障害・発達障害グレーゾーン(受け身ASD)。
試行錯誤し、得られたものを書いています。
多様な生き方を応援します。
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