双極性Ⅱ型障害のとび太(@umayano2)です。
いつも当ブログをご覧くださりありがとうございます。
牧場時代の記事にて、コメントを頂きました。

ご質問の内容は次のようなものでした。
牧場での暮らしの中、精神科への通院はどうやって行ってたのでしょうか?
牧場から病院までは遠いでしょうし…
そう!そうなんです!
僻地に住むと、何がって、近くに良い病院がなかなか無いんですよね。
私の経験は【北海道の道東】についてのものになりますが、こちらの質問にお答えしつつ、【僻地での精神科通院】について当事者目線でまとめていきたいと思います。
目次
私の経験談(僻地での実際)
私道東にいたのは、2017年~2018年頃です。
私が住んでいた場所
私が道東にいた頃は、標津郡に住んでいました。
▽下の図でいうと、右の○のあたりです。
牧場にある社宅を借りて、半一人暮らしのような感じでした。標津郡には、2年と半年いました。
候補に考えた精神科
まずは、1番近い、標津郡にある精神科(中標津)を探しました。そして、車で2時間くらいの釧路も通える圏内だと考えました。最終的には、札幌のメンタルクリニックを受診しました。
▽標津郡と、釧路と、札幌の位置関係
札幌、帯広、釧路など、大きい街まで行ければ、精神科はたくさんあります。いい病院に出える確率も上がるかもしれません。 |
私が北海道で精神科を探していたとき、「双極性障害かもしれない」と感じていたので、余計に「いい病院(的確に診断してくれる精神科)に罹りたい」と感じていました。
近くの精神科は、評判が悪い…
土地勘が全く無いので、標津郡の精神科事情についても知識はゼロでした。なので、牧場の人や、知り合った人に、精神科でオススメはないかと聞いてみました。
精神科自体は、比較的大きな隣町の町立病院にもありました。なので、精神科インフラ自体はありました。その町立病院は常駐の医師がいるわけでなく、派遣されて非常勤の医師が交代で診ている感じでした。「何曜日は〇〇医師、何曜日は△△医師」、といった感じで。
町立病院はどうですか?と相談すると、「町立病院はやめとけ」「死ぬぞ」とかいう情報をもらったりしたこともあり、私は「ここは選ばないほうがいいのかな…」と思ってしまいました。
内科とか、歯医者とかだと、想像していた以上に「僻地でもいい病院(まともな医療)」があるんだなぁ、と感じていたのですが…精神科はまた特殊なのでしょうね。
大きい街まで出れば精神科はある。しかし…
知人から、「知り合いが釧路の日赤に通っていた」という情報を教えてもらいました。釧路なら、いい病院がありそうだと思いました。
片道2時間くらいなので、1日休みがあれば、通える。
グーグルマップやインターネットで調べてみると、たくさん精神科や心療内科が出てきました。入院できるような病院も、釧路にはありそうでした。
病院のサイトや口コミ見て、目ぼしい病院を候補にいくつか選びました。そして、予約の状況を訊くために電話をしました。3~4件くらい、大きめの総合病院や、個人のメンタルクリニックを選んでいたような気がします。
結果、どこも「1~2ヶ月待ち」。想像以上の予約の取れなさに、ショックでした。総合病院ですら、予約が必要だったように記憶しています。(※最新の状況などは必ずご自身で確認されてくださいね!)
当時、激鬱の症状が出ていたので、体がものすごくしんどくて、数ヶ月の待ち時間は非常に不安でした。
とりあえず、1~2件のメンタルクリニックの予約を取ってみた覚えがあります。
結局は、知人の紹介で札幌の精神科を受診
友人に、医療関係の仕事をしている友人がいたので、「双極性障害かもしれない」ということを伝えつつ、「どういう病院を選んだら良いだろうか?」「おすすめの精神科はあるか?」などを相談してみました。
「大学とつながっている病院が良い」
「札幌ならオススメの心療内科(メンタルクリニック)を知っている」
と教えてもらいました。
そのため、釧路の予約を蹴って、私は札幌のメンタルクリニックを受診することにしました。
いい病院に初診で罹りたかった
自分の症状が双極性障害だと感じていた私は、本などで「双極性障害は診断に○年かかる」というような情報を見ていたので、なるべく、できれば一発で双極性障害と診断してくれる医師に罹りたいと思っていました。
仕事的にも、牧場は月に4日しか休みが無く、あまり遠出できないというのも、「できるだけ良い医師に」と思った理由かもしれません。
とりあえず双極性障害の診断をもらって、そしてそこで、紹介状を書いてもらい、近場の病院に転院するのが良いのではないか、と思っていました。
(一発で双極性障害の診断をもらおう、と思っていましたが、今思えばそれはかなり強引というか、一か八かというか、賭けに近いような考え方でした;)
「オンライン診察」に助けられた
▽双極性障害と診断されたときにもらったオンライン診察のパンフレット
幸い、紹介してもらった札幌のメンタルクリニックは予約が取りやすく、すぐ(1~2週間後くらい?)に予約を取ることができました。都会だからか、そのメンタルクリニックが新しく開業したばかりだったからかは、分かりません。
牧場で休みをなんとか連休にしてもらって、札幌まで行きました。2月くらいだったので、釧路までバスで出て、特急で札幌へ。
初診で、双極性障害と診断してもらうことができました。
しかし、精神科って、最初の頃は通院がけっこう頻繁に必要ですよね。「次は来週来てください」みたいな。私は考えが浅すぎて、初診までは無事たどり着いたものの、その後の通院をどうするかは、いきあたりばったりでした。
オンライン診察が神すぎる…
ものすごくラッキーなことに、そのメンタルクリニックは『オンライン診察』をやっていました。(オンライン診察は、『スマホ診察』とか『遠隔医療』とか、『クラウド医療』とかも言われるそうです。)
オンライン診察では、定期的に直接医師に会って診察を受けることが法的に必要らしいのですが、それでも、直接通院の頻度は数ヶ月に1回で済みます。(※私は3~6ヶ月に1回/または通院3回に1回?くらいでした。通院の頻度など、最新の情報は必ずご自身で病院に確認されてください)。
数ヶ月に1回なら、なんとか札幌まで通えるかもしれない…と思いました。
そして、普段はこちらの『オンライン診察』を受けることになりました。自宅の部屋にいながら受診でき、しかもこのメンタルクリニックはすごく予約がとりやすかった(時間や日にちを自分で選べて、2日前とかでも空いていた)ので、とても楽でした。
オンライン診察はほんとに神なサービスだと思います。特に、精神疾患に相性すごく良いのではないかと思います。鬱のときなんか、診察に出かける準備するだけでもしんどいですもん。
もっとどんどん普及してほしい…!
▽オンライン診察できる病院の検索(私が使っていたアプリと同じもののみ)
北海道≫北海道で精神科・心療内科の受診が可能な病院・クリニックを探す | CLINICS(クリニクス)
全国≫精神科・心療内科の受診が可能な病院・クリニックを探す | CLINICS(クリニクス)
僻地での通院で気になるところ
私の少ない経験からですが、僻地(あまり病院が近くにない/田舎)に住んでいる人向けに、精神科/心療内科を探す際のポイントをまとめました。
懸念①:距離
僻地の場合、とても課題となってくるところが、病院までの距離ですよね。
距離は、ご自身の症状や治療の段階によって考え方が変わってくると思います。
▽目安を考えてみました。
※オンライン診察がある場合はこの通りではありません。 |
交通手段や、交通費にかけられる予算によっても、どのくらい遠い病院まで通えるかは変わってくると思います。
私の場合、最初は札幌に行ったりしていましたが、いつかは近い病院に変えないと、お財布的にも持たなかったと思います。
当日に調子がくずれても大丈夫か?
特に、初診だったり、薬が安定していなかったりして、調子に波が大きいうちは、通院する日に体調が悪いことも多々あり得ると思います。そんなときに、自分で車を運転して行けるのかとか、誰かと一緒に行ってもらえるのかとか、代わりの交通手段はあるかとか、も合わせて検討しておくといいかもしれません。
また、調子が崩れて予約をキャンセルしたとしても、次の予約が取りやすい(人気すぎない)病院を選んでおくのも安心です。
休みは取れるのか?
私の牧場時代のように、連休の無い仕事だったり、平日休みの仕事の場合、その休みの日に診察をやっている病院を選んでおくと安心です。仕事の日に休みをもらって病院に通院するという方法もありますが、それがお願いしにくい職場もありますよね。
また、私は精神科の診察の前後は調子を崩しがち(鬱になりがち)です。なので、なるべく時間とか気持ちに余裕が持てる日に診察を受けられるのがいいと思います。予約していた時間よりも待ったり、予想外のことが起こることも多々ありますので…。
土日休みの人でも、病院が土日に診察をしていなかったりする場合があるので、予め確認しておくといいと思います。
▽精神科/メンタルクリニックの選び方の参考に


懸念②:医師の技量
僻地でも医療のインフラは最低限整っていますが、精神科の場合、町立病院のような総合病院では派遣の非常勤医師が診ていることも多いと思います。
派遣されて来ている医師も、医師は医師です。なので、何が問題かというと、、、ごめんなさい、実は私も分かりません。
技量が様々だとか、毎回同じ医師に診てもらえないので治療がとびとびになってしまうこともあるとか…でしょうか。僻地だとしてもいい医師に出会えることもきっとあると思います。(歯医者さんですが、すごくいい医師のお世話になりました)。(産婦人科の派遣医は△だったなぁ…)
僻地には大きな大学病院などは無いので、新しい情報や治療法がすぐには入ってこないというのはあると思います。
僻地に住んでいる精神疾患持ちの人へ
僻地に住んでいる、というだけで、精神科を受診するハードルが高い。厳しい現実かもですが、絶望ではないと思っています。
電話を駆使しよう
気になる病院があったらとにかく、直接電話をかけてみましょう。予約できるかどうか、最短でいつ受診できるか、予約のとりやすさはどうか…など、ネットで検索するのもいいですが、直接電話をかけた方が早いことも多いです。ほんの少しですが、病院やスタッフの雰囲気も感じられますしね。
私は、精神科以外にも、地域(市町村)の無料相談みたいな電話にかけてみたことがあります。保健師さん?とも電話したのですが、精神科を紹介してくれるという目的ではあまり得るものはありませんでした。
精神疾患について知識をつけることも大事
これは僻地にいても都会にいても同じかとは思いますが、精神疾患について勉強しておくと、精神科の通院がもっと充実したものになると思います。モヤモヤを抱えることも減ると思います。
精神科の診察の時間は、初診以外はとても短いです。その限られた時間に、気になることを質問したり、処方される薬の説明をお願いしたりするためには、ある程度自分でも知識を持っていると医師とも話しやすくなるのではないかと思います。
双極性障害目線からいうと…
もし。精神科選びに時間がかかりそうなら、とりあえず1番近い精神科に罹っておくのがいいと思います。
新しい病院が見つかり次第、紹介状をもらって転院すれば良いですし、その手続が負担に感じるときは、紹介状は貰わなくても、新しい病院に「はじめて精神科にかかりました」という感じで受診すればOK。
医師を選ぶのも、いろいろな医師に診てもらってからでもいいと思います。どの医師が言っていることが信じられるか、どの医師の治療法が適切か、実際診てもらわないと分からないこともありますしね。
もし、「双極性障害かも」と感じているのであれば、抗うつ薬を処方されてしまうことはできれば避けたいです。躁転する(症状が悪化する)可能性があるからです。初診だとしても、根拠が説明できなくても、「双極性障害かもしれないと思うのですが…」と必ず言葉で伝えてみてください。「双極性障害」という単語を出すかどうかで、ほんとに明暗が別れてくると思います。



まとめ
以上、私の経験をまとめさせていただきました。
僻地でも、精神科を諦めないで、治療を受けてほしいです。方法はいろいろあります。
ご不明点等ありましたら、またいつでもお待ちしています。
この度はご質問ありがとうございました。



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