いつも、誰かに頼っている。
うつや双極性障害で、いつも支えてもらっている。
こんな自分でも、力になれるだろうか。
でも、大切な人だから、力になりたい。
その気持を大切にしてほしくて、前回の記事『ありがた迷惑になってない?大切な人を応援するために心がけたいこと』に続いて、今回は応援の方法について紹介します。
応援の仕方が分からない人、今の応援の仕方で良いのか不安になっている人にも、参考にしてもらえたら幸いです。
目次
大切な人を応援する5つの方法
1.まずは自分のことをしっかりやろう
”応援する方法”なのに、どうして自分のことなの!?
と思われたかもしれません。
誰かを応援するのは、エネルギーの必要なことですよね。
応援していたつもりなのにいつの間にか足を引っ張っていた、、、。そうなってしまったら本末転倒です。
大切な人を応援するために1番に考えるべきなのは、実は、自分のことなんです。
優先順位は、まず自分をしっかりさせること。それが出来てから誰かのことを考えましょう。
しっかり、と言ってしまいましたが、必ずしもうつや双極性障害の症状が抑えられている状態になれ、ということではありません。
症状を抑える努力をする。
たとえば、きちんと処方薬を服用する。規則正しい生活をして体調を整える。1日をいつも通りこなす。そんな当たり前のように思えることがすごく大事です。
試験前は、本人だけでなく、自分も緊張していて、普段と違う行動をとりがちです。
応援することで頭がいっぱいで、頑張りすぎてヘトヘト、イライラしてしまったり。応援したい人の前で疲れ顔になってしまうのは避けたいところです。
試験の当日も、出かけるときに忘れ物をして戻ったり、バタバタしてしていたら、むしろ邪魔をしてしまうかもしれません。
私は、そんな風になったしまいには、迷惑をかけてしまった、と自己嫌悪になり、泣いたり落ち込んだり、あるいは失敗を挽回しようと更に空回りしたりして、結局うつの症状を悪化させてしまったりしました…。
小さなことから、一つ一つ確実にこなすことを意識しましょう。必要な準備は、早く始めるに越したことはありません。
焦らず、落ち着いて、自分のことをまず片付けましょう。
誰かを応援するのはその後です。
今回迎える”試験” という出来事は、試験を受ける本人にとっても、そしてあなたにとっても初めてのことです。ですから、失敗はつきもの。失敗せずに上手くいくほうがラッキー!くらいに思いましょう。
もし思っていたようにできなくて失敗したと思っても、足を引っ張ってしまったとしても、試験が終わるまでは、落ち着いて、自分のことをまず第一に。
試験が終わったら、すっきり明るい笑顔で迎えられるようにいたいですね。
2.特別なことはしない。いつもと同じを意識しよう
3.本人から頼まれたことに全力を注ごう
応援する、というと”やってあげる”というイメージですよね。
でも、”やってあげる” のは、自分目線の優しさかもしれません。
私はそんな優しさを注ぐことばかりに一生懸命になって、一方通行になりがちでした。「こうしたら喜ぶだろう」。それは、ドンピシャで喜んで貰えることもあれば、まったく見当違いなこともありました。
一生懸命応援しているのに、喜んで貰えないのはなぜだろう?
それは、本人が望んでいることからズレているからでした。
自分目線にならず、本人が何を望んでいるか、どうしてほしいか、できるだけ本人に訊いて確認してみましょう。
反対に、頼まれてもいないのにあれこれやりすぎないように気をつけましょう。
4.何かを「してあげる」よりも「一緒にやる」イメージで
集中できる環境をつくろう
あなたは、どんなとき集中できますか?
集中できる環境というと、静かな、図書館や学習室のような場所が浮かびますね。
でも集中できる場所はこのような場所だけではありません。無音がいい人もいれば、カフェのように色々な音がある方が集中できる人もいます。集中できる場所は人によって様々です。
音や光、温度などの要素の他に、”人の存在” も意識してみましょう。
誰かが集中している空間にいると、自然とつられて集中できることもあります。
私は、静かな部屋にまったくの一人きりになるときだけでなく、一緒の空間で誰かが集中して勉強や作業をしていると、いつの間にか勉強がはかどっていることがあります。
隣でやるかどうかは関係なく、「一緒に勉強しよう」と声をかけてもらえるのも、とても嬉しいです。
「頑張って!」という言葉をかけなくても、集中できる環境を作る、それだけで力になれるかもしれません。
出かける直前に一緒に持ち物など必要なことの確認
「受験票持った?」「お財布もった?」
一緒に試験の案内や募集要項を読み返したり、必要な持ち物を持ったかどうか一声かける。試験会場までの交通手段やスケジュールを確認して、余裕を持って到着できそうな時間に出発できるよう促す。
私は、忘れ物が多かったり、朝になって準備を始めてバタバタしがちだったので、確認の声をかけてもらえるのはとてもありがたかったです。
試験を受ける本人は、準備に全力を注いでいて、その他の細かいことまで気が回らず、抜けが出てきてしまうかもしれません。
試験に必要なものに気づくのは、側にいるあなただからできること。
おせっかいにならない程度に、本人のサポートをしてみましょう。
声をかけるタイミングは、本人が何もしていなさそうなときです。
本人が荷物を確認していたり、試験内容の最終チェックをしているときなど、何かを考えているときは、声をかけると集中を途切れさせてしまうのでかえって邪魔をしてしまいかねません。
勉強中のお茶や軽食の差し入れ
勉強を何時間もやっているときに、差し入れをしてもらえると嬉しいですよね。
友達からもらった「これ、よかったら食べてね」と渡されたちょっとしたお菓子。食べるのを楽しみに、勉強も頑張れました。
一緒に休憩に行ったときに、とさりげなく飲み物を奢るのもスマートでかっこいいです。
家で勉強していたときは、たまに母がお茶とちょっとしたお菓子の差し入れをしてくれたことがあり、照れくさいような嬉しいような気持ちをいまだに覚えています。勉強中は休憩のタイミングを逃しがちだったので、良い休憩のきっかけとなりました。
応援する側の、部屋にいる人へ差し入れするときのポイントは、集中を途切れさせないタイミングに差し入れること。
きっかけが掴めなかったら、何か用事があるときに一緒に差し入れするのもいいかもしれません。
部屋に入ったり話しかけたりすることは、集中を途切れさせてしまう行為ですから、長居せず、差し入れたらさっと部屋をでましょう。
要らないと言われたら、すぐに引きましょう。そしてネガティブに自分を責めたりしないこと。
嫌われているのかなとか、嫌だったかなとか考えるよりも、「今は要らないんだな」で悩むのを終わりにする。
差し入れは気軽にくれると、貰う方も気が楽です。
無理して笑顔をつくらないと渡せないようなときは、今回は見送って、次のタイミングをのんびりと待ちましょう。
タイミングや何がいいか分からないときは、たとえば「〇〇を差し入れしたいと思うのだけど、何時頃がいい?」と確認したり、「〇〇と△△だったらどっちがいい?」と直接本人に訊いてみるのもいいかもしれません。
その人の好きなものを差し入れるのがおすすめです。
普段その人が休憩するタイミング、好んで食べているものなどを観察しておくのもいいでしょう。
差し入れするものは、お茶や夜食のうどんなど、温かいものも染みます。そして、夜食の場合は、眠りが浅くなりがちな甘い物や脂っこいものは避けること。体に負担の少ないものがいいかもしれません。
ただし、しつこくしないこと。一日に何回も差し入れたり、毎日毎日繰り返したり、嬉しいかどうか確認したり、プレッシャーにならないよう気をつけたいですね。
5.試験に臨む本人のペースに合わせよう
本人が黙っていたり考えごとをしているときは、考えごとをさせてあげよう
応援する側の都合を持ち込まない
また、「試験の邪魔になってしまうから」という優しさで、本人にはあえて話さないこともあるかもしれません。
隠し事をしているように思え、罪悪感を感じてしまうかもしれませんが、嘘をついたり平気な顔を装ったりすることはせず、本人に訊かれたら事実を伝えてゆけばいいのだと思います。
最後に
Photo by michael schaffler on Unsplash
試験は本人のもの。信じて待とう
もしかすれば、応援する人の”気持ち”の強さが、試験の合格を導くこともあるかもしれません。
しかし、試験の合否には、試験を受ける本人が積み上げてきた努力や、当日の体調などのコンディション、人間関係、タイミングなど、様々なことが関係していて、努力でどうにかできるものもあれば、どうしようもないこともあります。
あなたなりに一生懸命に応援したら、あとは、試験を終えて無事帰ってくるのを待ちましょう。
試験を乗り越えた大切な人に、とびっきりの笑顔で「おかえりなさい!」「おつかれさま!」と伝えられたら、それできっと大丈夫です!
応援の仕方に正解は無い
今回の経験は、きっと次回に生かせる
あなたと、あなたの大切な人がこの山場を越えてゆけますように。
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