こんにちは。とび太(@umayano)です。
27歳の頃、妊活するべきか就活するべきか、とても迷っていました。
そして私は、就職ではなく、妊活をする方を選びました。
不妊体質(PCOS:多嚢胞性卵巣症候群)と言われ、双極性障害という精神疾患をもっていた私が、当時どういう状況にあり、どうして妊活を選ぶに至ったのかという経験談を書きたいと思います。
妊活するか就活(長期の仕事)をするか迷っていた頃の自分の状況をざっくりとお伝えすると…
・結婚が決まり、夫婦ふたりともいつか子どもがほしいと思っている
・不妊体質や精神疾患があり、妊活も就活も自信がない ・仕事を辞めたばかり(無職)で、金銭面に余裕は無い |
最終的に私は、妊活をしていくことを選びました。
目次
27歳、妊活か就活か本気で考えた
当時の私の状況についてより詳しく書きたいと思います。
27歳の終わり頃(2018年の冬)、それまで2年半勤めた牧場を辞めて、現在の夫と同棲(ほぼ居候のような感じ)を始めました。
同棲してすぐにプロポーズを受けたことで、妊活するか?仕事をするか?が一気に現実問題となりました。
不妊体質だと発覚
悩み始める半年前くらいに、生理不順をきっかけに産婦人科で診てもらったところ、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を指摘されました。≫PCOSになったのは、おそらく過食嘔吐していたのが原因だと思っています。
ちなみに私は、前々から下のような感じで産婦人科にはよくお世話になっていました。
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PCOSと言われるのは始めてのことでしたが、嚢腫を取ったりして卵巣に負担をかけていたので、まぁ仕方ないかなと思ったりもしました。
しかし、「不妊体質」であると実際に言われると、自分が思っている以上に私は衝撃を受けたようです。夫にすぐに報告し、抱きしめてもらった腕の中で涙がでました。
子供をもちたい
実は、今の夫との結婚が見えてくるまで、私は「子供が欲しい」という気持ちが曖昧でした。「子どもが好き」と言える人がすごいなぁ、とどこかで思っていました。
友人に「子どもが欲しいという気持ちがわからない」という話をしたときに、「多分それは今まで子どもと過ごした時間があまりなかったからだよ」と言われました。実際その通りだったようで、甥っ子姪っ子が産まれて接しているうちに、かわいいな、子供がほしいな、と理屈ではなく感じるようになりました。
一方夫は、子どもを持ちたい人でした。子どもは何人欲しいという話を、付き合った初日(笑)から出していました。
過去を振り返ると20代前半の頃に、子供を産まなきゃ!…と無性に焦っていたときがありました。しかし当時のその「子どもが欲しい」は、「義務感」や「自分のため」「依存」のようなもので、愛情からくる「子どもが欲しい」という気持ちとは違っていたと思います。当時私はメンヘラ的で、精神的に自立していませんでした。あのとき産まなくて本当によかった。 |
現実厳しければ「子どもを持たない選択」も考えた
私たち夫婦は、「子どもが欲しい」とお互いに思うようになったわけでしたが、現実をみると、厳しいかもと思うこともありました。
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そんなことを考えているうちに、私たち夫婦は「子どもをもたない人生もありだよね」、と話せるようになっていました。
お金が無い、でもフルタイムで働く自信もない
私は、フルタイムのハードな勤務がこなせる自信がありませんでした。それまでにやってきた仕事は、会社員も、牧場も、うつ(鬱)がきっかけで退職に至ったようなものでした。牧場の仕事は2年半続けられたけれど、だいぶしんどかった。
妊活と就職を両立するなんて可能なのか?
両立の方法を考えたとき、福利厚生の整っている職場で2-3年働いて、妊活→妊娠→出産、となれたら、妊活面でも金銭面でもパーフェクト、と思いました。
でも、そもそもそんな「良い職場」に採用されるかも分かりません。結婚したての、妊娠を希望している20代後半の女で(それに加えて私は精神障害)。
また、たとえ福利厚生が整っている職場に勤められたとしても、何年か経ったその時に、妊活できる余裕ができているのか?子育てと仕事を両立なんでできるのか?
どれも、その時になってみないと分からないものですが、何年か前に、「ホワイト企業」でボロボロ鬱になったこともあったので、慎重になってしまっていました。
私が出した結論
それまでの人生で私は、誰かに相談することが苦手だったのですが、今回は、きょうだい、友人など、信頼できる人に片っ端から話を聞いてもらいました。
![]() 当時、何から考えていいか分からず、頭の中に浮かんだことをとりあえずノートに書き出していました。 |
私が最終的にたどり着いた結論は、「ほんとに本気になれば、仕事は何歳になってもできる。だから妊活を優先する」でした。
私は、妊活に舵を切りました。
仕事は、きっと何歳になってもやれる
大切なのは、やる気だと思いました。
たとえばやりたい仕事があって、そのために資格が必要なら、お金を貯めて、学校に通い直して、全力で資格をとって採用試験に望んだらいい。やる気があれば絶対できる。
そして、こだわらなければ仕事はきっとあるとも思いました。一般の求人票を見ると35歳とか制限があることも多いですが、それは一部。これからの時代はどこも人不足になってゆくだろうし、探せばどこかには自分を受け入れてくれる職場が見つかるはず、と思えました。
これは、新卒で大企業にいた頃には考えられなかった思考です。一度学歴やキャリアを全部捨てても牧場で雇って貰えた経験や、牧場で初心者の年配の女性と一緒に働いて刺激を受けたことが大きいかもしれません。 |
仕事には、やる気さえあれば年齢は関係ないと思ったのです。
妊娠には確実にリミットがある
一方で、【妊娠→出産】には、明らかに年齢制限があると思いました。
35歳を過ぎたら一気に卵子の質が落ちるとか妊娠率が下がるとか聞きますが、35歳より若くても、妊娠できるとは限りません。
友人から47歳でも自然妊娠して出産した、という話を聞いたりしましたが、それは本当に奇跡のような確率の話だと思います。 |
ましてや、すでに不妊体質と分かっている私が、「年を重ねても妊娠できた人の経験談」を自分に当てはめて、「きっとなんとかなる」と思うべきではないと思ったのです。
見えてきた現実
妊活に舵を切り、就職活動をやめ、専業主婦(無職)の生活が始まりました。
引っ越したばかりのアパートの片付けや新生活で慌ただしい中でしたが、産婦人科(不妊治療がメインの病院)を受診しました。
不妊外来がどこにあるか全く知らなかったので、周りの人に不妊外来でオススメはないか?と相談し、最終的には姉の友人がオススメしてくれた産婦人科に行くことにしました。 |
今までの人生で、産婦人科は5件は通ったことがありますが、「不妊外来」は始めてでした。
妊娠のリミットは想像以上に迫っていた
不妊外来にかかるとまずは全員検査をするのが必要だそうです。
私も、一通りの検査(採血と内診)を受けました。
![]() △そのときの検査結果の全部。こんなにたくさん…。 |
検査の結果、AMHの値が同世代と比較すると少なめ(2.15ng/ml)であることが分かりました。ちなみに年齢とAMH値の目安は次のようだそうです。
参考:AMHと年齢の基準値
6.04ng/ml = 27歳以下 |
検査したとき私は28歳になっていましたが、AMHの値は40代前半くらい、という感じですね。
ちなみにAMHとは?を簡単にまとめると次のような感じです。
AMH(アンチミュラーホルモン)とは
参考:産婦人科でもらったパンフレット |
AMH値が低い人は、リミットが他の人よりも迫っているということです。
AMHの低さは意外だった
私は過去に、低用量ピルを長らく服用していたことがあります。ピルを飲んでいると排卵が起きないので、卵子が卵巣に残ったままになります。また、私はPCOS体質で排卵が数ヶ月に1回程度だったので、さらにたくさん卵子が温存されていてもいいはずでした。
もしかすると卵巣嚢腫を取ったときに、いくらか卵巣も削れていたのかもしれません。
AMHが低いと知り、私たち夫婦に迷いはなくなったと同時に、就職しないで妊活を選んでおいてよかった、と思いました。
不妊治療のお金はハンパない
不妊外来では、一通りの検査をし、タイミング法を試してみようかというところまでいきました。幸いすぐ妊娠したため、通った期間は2ヶ月ほどでした。
私が不妊外来に通った約2ヶ月の流れ
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不妊治療らしいことは全然まだしていなかったのですが、それでも合計6万円かかりました。
![]() △一通りの検査だけで、3万円…。 |
内診なども全額自費になるんですね。高いですね、不妊治療。飛んでいくお金の勢いには圧倒されました。
病院内の張り紙に人工受精1回30万円(くらいだったような…)とか載っているのを見て、まじか、と衝撃でした。もし、不妊治療がステップアップして体外受精になったらどれだけかかるのか…。
これは本当にお金がたくさんある人でないと耐えられない…と思いました。私たち夫婦は貯金が100万円も無かったので、もし妊娠までに時間がかかってしまっていたら、貯金はきっと一瞬で底をついていたと思います。
親にお金を借りることも考えました。
妊活は、健康な心と体があってできること
以上のような感じで私は迷い、結果、予想外にすぐに妊娠して今に至っています。
もし今この記事を読んで下さっている人が妊活か就活か迷っているのなら、
とりあえずすぐに産婦人科で検査を受けてほしい。
そして、迷ったら妊活を優先してほしい。
と思っています。
特に、25歳以上の人や、さらに婦人系疾患など何か持病がある人なら、なおさら妊活を選択して欲しいです。
逆に、25歳よりも若く、産婦人科で検査した結果(AMH値など)に問題が無かった人は、妊活でも、就活でも、やりたい方を選んでもらえたらと思います。 |
25歳としたのはあくまで目安です。30歳になってしまうと選択肢がもっと切迫感を持ってしまい、絶望もしかねないので、年齢は早めに設定しました。
妊活はハード
たった数ヶ月の出来事でしたが、「妊活って、なんて精神的に負担が大きいんだろう」と感じました。
このハードさは、妊活をするときに、無職だからとか仕事をしているからとかは関係ないと思います。
流産したかも、となれば分かっていても泣いてしまいましたし、それまでの数ヶ月が失われる感覚は、なんともいえず絶望でした。
先の見えないストレスは半端なくキツいですよね。「いつ赤ちゃんができるかな♪」が、「いつまで続くんだろう…」に変わっていきます。
さらに、不妊治療の力を借りていたら、ホルモン剤の副作用に苦しむこともありますし(私は皮膚がとても敏感になった)、治療やお金に関するストレスもガンガン上乗せされてきます。
こうして妊活ブルー、マタニティーブルーになっていくわけですが、うつ(鬱)に近い状態と言っても過言では無いと思います。大げさですが、鬱は死ぬことだってある症状です。妊活も同じで、命がけだって言っていいくらいだと私は思います…!
妊活は、健康であってこそできる
妊活がハードという面をたくさん言ってしまいましたが、お伝えしたいのは妊活がキツいということではなく、「妊活するには、ハードでも耐えられる健康の土台が必要」ということです。
私は、双極性障害という精神疾患を持っています。仕事も、頑張ればきっとできるのだと思います。そして、仕事と妊活の両立も、もっともっと頑張ればできるのだと思います。
だけれども、「頑張っている状態で、体は健康なのか?」と考えてみる必要があると思いました。
私の場合は、仕事をしていない方が健康で過ごせる気がします。毎日日中一人で過ごしても、退屈とか寂しさのストレスはそんなに感じにくいです。 |
そして、これは妊娠してみて分かったことなのですが、妊娠したら、もっともっと「健康」がシビアに求められます。
適度な運動、そしてバランスが取れた塩分少なめで栄養豊富な食事…。自分で自炊するなら、そんな料理を作る時間も根気も必要です。そういう「健康的な生活」をできる余裕があるかどうかを考えてみて欲しいです。
健康だと、サクッと妊娠する
妊娠してみて、妊娠には、ふつうの人の「健康」よりも、さらに「超健康」くらいの健康が必要なんだな、と感じています。
妊娠した今、ほんとに超健康です。
私はすぐ妊娠したような結果になりましたが、すぐ妊娠できたのは自分では納得していて、なぜなら私が妊娠したその頃は、私の人生史上いちばん、と言っていいくらい健康になっていたからです。
仕事もしていなくてストレスが少なく、マイペースに過ごし、疲れたら休める生活。食事については、牧場時代から意識しはじめていたものの、夫と結婚して食事を完全に担うようになったことで、一段と健康的な食事を意識し、続けられていました。
「つやつや」「ぴかぴか」だと妊娠できる
過去の自分は、自分のことを「健康」だと思っていました。でも、不妊になっていました。この事実は、それまでの人生ずっと、体に負担をかける生活習慣だったことを証明してくれていると思います。
PMSがひどくて、卵巣嚢腫があって、pcosで…。それは、「まだまだ健康になるべき」「子どもを持てる健康的な生活習慣でない、生活習慣を改善すべき」ということだったんなだなぁ、と思います。
「体質」だと諦めていることって、もしかすると、長年からの思い込みから思考停止していることもあるかもしれません。体質は意外と改善します。 |
どれだけ元気にしていても、ニキビがあったり、生理に難ありだったり、便秘だったり。甘いものをご褒美にしていたり、運動不足だったり。それはまだ全然、健康からは遠いのだと今なら分かります。
できる、できないは分からないから
妊活にしろ、就活にしろ、どうなるかは自分では決められないことです。どちらかを選んで、上手くいくかもしれませんし、もしかすると絶望に行き着くかもしれません。
なので、最終的には、自分で決めることが大切だと思います。
焦っている状態とか、モヤモヤしたままの状態では、前に進まないでいて欲しいです。
パートナーと納得するまで相談して、「これだ!」と思える方を選択していってもらえたらと思います。
それでは、以上、私の経験談と思うことをまとめさせて頂きました。
最後までお読みくださりありがとうございました。
ご質問などありましたらぜひお寄せください^^
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