双極性障害の【妊娠】と【薬の服用】―経験を元にまとめました

双極性障害の【妊娠】と【薬の服用】― 経験談も合わせて解説します 双極性障害

写真:Hadesさん(写真AC

こんにちは。とび太です。

 

妊娠したい。子どもを持ちたい。

 

でも、気分安定薬や抗精神病薬は飲み続けても大丈夫なのだろうか?

 

妊娠をするときには、赤ちゃんへの薬のリスクが気になりますよね。

 

この記事では、双極性障害の人の妊娠に際して、気になる薬の服用について、本やウェブ上の情報と、私が実際に精神科と産婦人科(不妊外来含む)の主治医に確認した経験を元に、まとめています。

 

 

妊娠をとるか、断薬をとるか、または子どもを持たないか、、、。

私は、以前はこの3つの選択肢しか持っておらず、パートナー受け入れてもらえるかどうか不安で、結婚に対しても後ずさりしてしまっていました。

でも、実際には、もっと選択肢があると知りました。

 

妊娠を考える際の参考になれば幸いです。

 

 

双極性障害の薬を飲みながら妊娠はできない!?

 

気分安定薬や抗精神病薬を妊娠中も飲むことについて、調べると、「飲まないほうがいい」という否定的な意見を目にすることがあります。

双極性障害の人が妊娠・出産する際には、断薬が必ず必要ということなのでしょうか。

双極性障害の薬を飲みながら妊娠すると、赤ちゃんが奇形をもってしまうのでしょうか。

 

いいえ、結論を言うと、妊娠するときに必ず断薬が必要ということではありません

選択肢がいくつかあります。次の項から紹介します。

 

 

▽こちらのブログ記事も参考になります。精神科医からの視点で解説されています。

双極性障害、妊娠・出産を希望する場合、完全に薬を止めるべき?薬の影響は?
「双極性障害についての100の質問」企画、第29回目です。 今回のご質問は、 「妊娠出産を希望し減薬しています…

 

妊娠する際の4つの選択肢

双極性障害についての本からの引用です。

Q8 双極性障害でも結婚して赤ちゃんを産めますか?

結婚も妊娠・出産も可能です。

(…中途略)

薬を続ける、薬の内容を変更する、薬を中止する、一時的に薬を中止して再開するなどいくつかの方法がありますから、主治医と一緒に最良の方法を考えていきましょう。

引用元:これだけは知っておきたい双極性障害 躁・うつに早めに気づき再発を防ぐ! ココロの健康シリーズ | 加藤 忠史 P.118 https://www.amazon.co.jp/dp/4798157139/

 

 

妊娠を考えたときに、薬をどうするかは、4つの選択肢があります。

  ①これまでと同じ薬を続ける

  ②薬の内容(量や種類)を変更する

  ③薬を完全に中止する(断薬)

  ④一時的に中止して再開する

『断薬』は、あくまで1つの選択肢です。

医師、そしてパートナーと相談しながら、選択していってください。

私の例

①の、「これまでと同じ薬を続ける」ことになりました。

精神科医、産婦人科医のどちらも同じ考えです(後半の経験談に詳しく書きました)。

ラミクタール100mg を朝と夕の2回、合わせて1日に200mg。

妊活中も、妊娠中、出産後もこのままの予定です。

薬を継続する理由は、母体の安定を図るため。

薬の量を減らさないのは、ラミクタールは200mg以上服用しないと効果が出ないため。

睡眠導入剤や、安定剤などのとんぷくも処方されて手元にはありますが、出来る限り飲まないつもりです。

 

気になる『催奇形性』について

双極性障害で薬を服用している人が、普段飲んでいて症状を安定させている薬を変えたり、止めたりすることはとてもリスクや負担の大きいことです。

それでも、妊娠を希望するときに薬をどうしようか悩むのは、気分安定薬や抗精神病薬に催奇形性(生まれてくる赤ちゃんが奇形を持ってしまう可能性があること)があるからではないでしょうか。

 

催奇形性とは

 

催奇形性とは、妊娠中の女性が薬物を服用したときに胎児に奇形が起こる危険性のことです。

引用元:催奇形性(さいきけいせい) – 妊娠用語辞典 | たまひよ
https://st.benesse.ne.jp/word/ninshin/p10233.html

 

どれくらいの確率で赤ちゃんに奇形が生じるかというと、

 

一般の人(持病で薬を飲んでいない人)から生まれてくる赤ちゃんでも、3% 前後です。

 

奇形の自然発生率は3%前後と言われています。

また、奇形のほうから見た場合ですが、薬が原因の奇形は1~2%と言われています。

引用元:『飲んで大丈夫?やめて大丈夫? 妊娠・授乳と薬の知識 第2版 | 村島 温子 』P.2

 

その3% は全て薬の服用によって奇形が生じたというわけではなく、薬の影響で奇形が生じたのは3% のうちの1~2% だそうです。

つまり、大雑把な計算ですが、10000人の赤ちゃんのうち奇形を持って生まれてくるのは300人ほどで、薬が原因で奇形を持ったのは3~6人、というくらいのイメージです。

 

生まれてすぐには分からずその後に判明する奇形(心臓疾患など)や、精神発達遅滞(発達障害など)まで含めると、約7~8%の新生児は何らかの障害を持つ可能性があると言われているそうです(引用元:『飲んで大丈夫?やめて大丈夫? 妊娠・授乳と薬の知識 第2版 | 村島 温子 』P.128)。

 

受精卵が赤ちゃんとして産まれてくるまでには、無数の細胞分裂が繰り返されます。

その途中でエラーが生じてしまうこともあり、そのエラーは修復されることもありますが、完全には修復されないまま胎児が大きくなることもあります。

 

人間が生物である以上、奇形率は0にはなりません

たとえ薬を飲んでいなくても、奇形を持った赤ちゃんが生まれてくることがあるのです。

 

気分安定薬の催奇形性

 

双極性障害は気分安定薬や抗精神病薬などを使って治療します。

 

気分安定薬の中には、抗てんかん薬としても用いられるものがあります。

バルプロ酸(デパゲンなど)や、カルバマゼピン(テグレトール)、ラモトリギン(ラミクタール)です。

 

抗てんかん薬と聞くと、催奇形性を思い浮かべる方もいるかもしれませんね。

下は、抗てんかん薬(双極性障害で使用されるもの以外も含む)の奇形率についての引用です。

 

一般の妊娠での奇形発生率は、2~4.8% と言われていますが、一部の抗てんかん薬の服用によって、約 10% と 2~3 倍高くなります。

しかし、言い換えれば 90% は正常児であり、奇形発生率が高いか少ないかは個人によって捉え方が変わってくるのではないでしょうか。

 

引用元:『飲んで大丈夫?やめて大丈夫? 妊娠・授乳と薬の知識 第2版 | 村島 温子 』P.119-120

※参考:脳神経外科で使用する疾患別説明書一覧 : 脳神経外科 | 船橋市立医療センター 説明書82:妊娠と抗てんかん薬

 

ここで伝えたいのは、たとえ妊娠中に最も催奇形性のある抗てんかん薬を服用したとしても、奇形のない健常児を出産する確率は約90%ということです。

 

気分安定薬(抗てんかん薬としても用いられるもの)の奇形率は、高かったとしても、10%。

 

この90%の確率を、高いと感じるでしょうか。

 

低いと感じるでしょうか。

 

気分安定薬の催奇形性の比較

 

双極性障害に使われる『気分安定薬』には、主に、リチウム(リーマス)、バルプロ酸(デパゲンなど)、カルバマゼピン(テグレトール)、ラモトリギン(ラミクタール)があります。

 

日本周産期メンタルヘルス学会 周産期メンタルヘルスコンセンサスガイド2017初版では、妊娠中の服用について、次のように記述されています。

  • リチウム(リーマス)…使用しないことを推奨
  • バルプロ酸(デパゲンなど)…使用しないことを強く推奨
  • カルバマゼピン(テグレトール)…使用しないことを推奨
  • ラモトリギン(ラミクタール)…副作用が出ない人に限り、可能な限り低用量とする

ただし、抗精神病薬などの他の治療薬では双極性障害の症状に効果が得られないときには、例外としていままでの薬の服用を続けることもあります。

 

▽バルプロ酸(デパゲンなど)やカルバマゼピン(テグレトール)について催奇形性を報告している文献です。

脳神経外科で使用する疾患別説明書一覧 : 脳神経外科 | 船橋市立医療センター 説明書82:妊娠と抗てんかん薬

パルブロ酸について:日本周産期メンタルヘルス学会 周産期メンタルヘルスコンセンサスガイド2017初版 cq12.パルブロ酸を服用する妊娠可能年齢の女性に対するの対応は? 

 

気分安定薬の中で最も催奇形性が低いのはラミクタール

 

上記のように、気分安定薬の妊娠中の服用については、ラミクタールはOK、それ以外は使用しないことが推奨されているようです。

 

ラミクタール服用のハードルとしては、副作用のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)です。

この SJS が出なければ、ラミクタールを妊娠中服用することができます。

 

▽双極性障害と診断されたほっしーさん( @HossyMentalHack )はラミクタールが合わず、SJS になってしまったそうです

双極性障害になってラミクタールを処方され、重篤な副作用が出た体験談。 | メンタルハック
どうも、メンタルヘルスブロガーのほっしー(@HossyMentalHack)です。 ラミクタール、飲んだことありますか? わたしは、双極性障害の診断をうけて初めて処方された薬がラミクタールでした。 残念ながら私には合わず、重篤な皮膚疾患が出てしまいまして、すぐに服用中止に。 ラミクタールは合う人には合う薬なんだそうです...

 

ちなみに、私はラミクタールを服用していますが、まだSJSは出ていません。その人によって相性がある薬のようです。

 

 

抗精神病薬の催奇形性

 

抗精神病薬の催奇形性については、気分安定薬よりも低いような記述を目にします。

 

抗精神病薬はまったく安全とはいえないのですが、気分安定薬よりは奇形を起こすリスクが少なく、母体の治療もできます。

引用元:よくわかる双極性障害(躁うつ病) (こころのクスリBOOKS) | 貝谷 久宣 (平成29年11月発行)

 

また、双極性障害の処方薬には、抗精神病薬以外にも、抗不安薬や睡眠薬などもありますよね。

エチゾラム(デパス)、ロラゼパム(ワイパックス)、ブロチゾラム(レンドルミン)、ゾピクロン(アモバン)、ゾルピデム(マイスリー)などです。

 

抗不安薬・睡眠薬などの催奇形性については、催奇形性を否定するような報告がほとんどだそうです(参考:『飲んで大丈夫?やめて大丈夫? 妊娠・授乳と薬の知識 第2版 | 村島 温子 』P.130)。

抗うつ薬についても同様だそうです。

 

抗精神病薬や抗不安薬、睡眠薬(睡眠導入剤)、抗うつ薬については、リスクは0ではないものの、催奇形性について深刻に考えすぎなくても大丈夫なのかもしれません。

 

 

【経験あり】ラミクタールを服用しながら妊娠してもOK

私は現在、ラミクタールを1日に 200 mg 服用しています。

医師が私にラミクタールを処方した理由の1つに、私が女だということがあります。

「将来妊娠する可能性もあるでしょうから」と、催奇形性が少ないと言われるラミクタールを選んでくれました。

 

精神科の主治医の考え方

 

私は、妊娠するならば『断薬』が必要だと思っていたので、薬を完全に止めるまでの薬を徐々に減らしてゆく期間はどのくらいだと見積もっていれば良いでしょうか、と訊いててみました。

 

主治医の回答は、「(断薬するまでに必要な期間は)どのくらいという目安はない」でした。

ラミクタールの服用の始めに、患者の様子を診ながら少しずつゆっくり薬の量を増量するのと同じように、断薬するまでの期間は何週間、何ヶ月、と断言できるようなものではないのだと思います。

 

主治医は、断薬すること自体にも、ブレーキをかけました。

主治医は、妊娠する・妊娠を続けるにあたり『母親の気持ちの安定を優先する』ことを考えていました。

薬を飲まない状態で、果たして妊活し、妊娠し、そして出産ができるのか。

 

「気持ちに余裕がなくて(妊活や妊娠が)ダメになってしまうようなことは避けたい」

私自身、薬を飲まない状態だったら家事もできず、食事も満足にとれないだろうな、と思います。

そんな状況では、夫に対しても、お腹の子に対しても申し訳ない気持ちで苦しくなり、自殺することを考えたり、最悪赤ちゃんを堕ろしてしまうかもしれないな、と想像してしまいます。

確かにそんな状態で妊娠するのなら、少しの催奇形性を覚悟して、自分の心身を安定させるのがいいのかもと思いました。

 

 

断薬するか、しないか。

どっちがいいのかは天秤」。

 

断薬して妊娠すれば、催奇形性のリスクを減らせるけれど、母体はきっと大荒れになる。

薬を飲み続けながら妊娠すれば、心身安定して過せるけれど、催奇形性が増す。

 

どちらの選択にもメリット・デメリットがあります。

 

 

そして、主治医は「今すぐにでも(妊活を)始めても構わない」とのことでした。

「私は、妊娠・出産の間も(ラミクタールを)飲み続けてもいいと思います

「幸いラミクタールは、他の双極性障害の薬と比べれば、リスクが小さい」

「子どものてんかんでも飲むような薬ですからね」

 

 

 

安定=くすり+環境」です。

逆にいえば、環境をすごく整えれば、薬を減らすこともできる。

 

妊娠を考えるのであれば、妊娠準備として、まず安定した環境を整えて」。

妊娠すること自体が大きな環境変化です。

たとえ薬がなかったとしても、何かトラブルがあったとしても落ち着いて過ごせるくらい、ストレスや変化の少ない生活を目指すことが大切だと知りました。

 

 

最終的には、「産婦人科医が薬を止めたほうがいいと言うなら、そちらを優先して」

とのことでした。

 

 

産婦人科の主治医の考え方

 

精神科の主治医の意見を聞いたあと、産婦人科を受診しました。

私は不妊体質と言われたことがあったのと、もし断薬が必要になったら自然妊娠だと妊活中の断薬期間が伸びてしまうと思ったので、最初から不妊外来に行きました。

 

そこでの主治医の回答は、

「(ラミクタール)を飲みながら妊娠してもらって構わない」でした。

 

「ラミクタールを飲みながら妊娠・出産した人もいましたから」。

 

 

催奇形性があると聞いたのですが、と伺ってみると、

「確かに、飲まないに越したことはないけれど、飲まないとキツイですよね」

と、精神科の主治医と同じで、母体の安定を優先して考えていました。

 

 

抗精神病薬や抗不安薬、睡眠導入剤についても、妊活・妊娠中に飲んでも大丈夫ですか、と質問してみたところ、

「飲んで大丈夫ですよ。ただ、薬を飲むということは多かれ少なかれリスクがあることなので、飲まないに越したことはないですが」

ということでした。

 

 

共通しているのは『母体の安定』を第一に考えていること

 

精神科の主治医も、産婦人科の主治医も、薬を飲みながら妊娠することを勧めてくれました。

 

それは、催奇形性が増してしまう可能性があるけれども、それ以上に、母親が不安定になることの影響の方がリスクが大きいという考えからでした。

 

私の母は、「あなた(とび太)を妊娠したときは、妊娠する環境としては最悪だった。毎日泣いてたもの。」と言っていたことがあります。

私から想像しても、そんな強いストレスにさらされている母親のお腹で健康に育つのは、胎児も簡単なことではなさそうだなと思います。

私がうつや双極性障害、発達障害の特徴も持って生まれてきたことにも、納得してしまいます。

 

 

ストレスがあると、妊娠もしにくいですし、流産などのリスクも上がってしまうと聞いたことがあります。

 

双極性障害は自分ひとりのことだってコントロールするのが難しいのですから、もうひとりを育て、世話をするのは、相当な負担を背負うものだと思います。

特に、うつにあるときは、心身ボロボロです。

生きているのがやっとです。

 

そんなストレスでいっぱいのお腹の中で育ったら、たとえ薬を飲んでいなかったとしても、奇形の子どもが生まれる確率だって高くなってしまうかも、と思います。

 

なので、まずは、母が正気を保って、健康でいられること

 

一日中、不安になったりイライラしたり、泣いたり、ストレスを抱えながら妊娠期間を過ごすよりも、薬を飲んで、心身穏やかでいることの方が、お腹の赤ちゃんにとってはいいかもしれません。

 

精神科医と産婦人科医の意見を合わせて、

私は、ラミクタールを飲み続けながら、妊活、妊娠、出産に挑戦しよう、と決めました。

抗不安薬などの頓服については、できるだけ飲まないつもりですが、どうしてもしんどいときは頼ろうと思います。

 

 

 

妊娠する際に意識したいこと

 

最後に、双極性障害をもった人が妊娠する際に意識してくと役立ちそうなことを紹介します。

 

妊娠をしようとするときは早めに計画を立てる

 

私が妊活を経験してこれをやっておいてよかったな、あるいはやっておけばよかったな、ということを紹介します。

全部必ず必要、というわけではありませんよ!

時間もかかることなので、早め早めにやっておいて越したことはないかもしれません。

 

  • 双極性障害のベースとなる薬を確定させ、症状を安定させておく
     
  • 妊娠するときに薬はどうしたらいいか医師に相談したり情報を集めたりして納得しておく
     
  • 母体として妊娠に向けて体を準備しておく(不妊要素や感染症の治療、ストレス少なく穏やかで規則正しい生活づくり、風疹の予防接種など)
     
  • 葉酸サプリを飲んでおく!(胎児の脳の神経細胞が一気に発達する妊娠初期は葉酸の摂取が特に大切だそうです。双極性障害をもつ母親から産まれる以上、できるだけ脳へのリスクを下げたいですよね。発達障害や自閉症の予防にもなるかもしれないという記述も見かけました。)
      
  • 妊娠できるのはあと何年くらいなのか大まかにみておく(卵巣年齢の検査(AMH検査)をおすすめします。計画をより具体的に立てられます。)
     
  • 体や歯の治療の必要があれば、済ませておく(親知らずは抜いておいた方がいいですよ!)
     
  • 引っ越しや退職、転職などあれば済ませて、環境を十分に落ち着かせておく
     
  • パートナーと妊活のこと、妊娠のこと、双極性障害のことなどを今まで以上によく話しておく(答えを探すというよりも、デリケートになりがちな話をすることに慣れておきます。後でなんでも話しやすくなります)
     

この他にも人それぞれに必要なこともあると思います。

 

 

私はどうなのかというと、いきあたりばったり、勢いでなんとかしがちです^^;

 

なんとかなっていなくても、大丈夫なことが多かったですし、

逆に、計画を立てた故に、予想外なことがあるととても不安になりました。

 

完璧を求めず、できる範囲でやってゆきましょう!

 

 

情報はなるべく新しいものを取り入れる

病気や薬についての知見は、年々変化します。

 

近年も双極性障害の新しい薬が出てきているように、双極性障害では、変化のスピードは早いかもしれません。

今の医学界の考え方や常識が、明日にはすでに過去のものになっていることもあるのです。

 

情報を集めるときには、なるべく新しいものを選びましょう。

医師にも、知りたいことがあったら積極的に質問しましょう。

 

本やネット上の情報は、3年以内くらいのものが良いかもしれません。

 

 

妊活・妊娠初期は『うつ』に注意!

出産した後の産後うつはよく耳にすることがありますが、妊娠初期にもうつのリスクが高くなるそうです。

その割合は、双極性障害でない人も含めた妊婦さんの、8~12人に1人ほど(参考:うつ病とは – 原因、症状、治療方法などの解説 | すまいるナビゲーター)。8~12人に1人というと、8.3~12.5%です。

特に双極性障害の患者については、妊娠期間を通じて薬物治療を継続した場合でも、妊娠中に気分エピソードが出現するリスクは約25~30%(妊娠20週時点)という研究結果があるそうです(参考:双極性障害、妊娠・出産を希望する場合、完全に薬を止めるべき?薬の影響は?|精神科医さくらの処方箋)。

 

 

妊活中・妊娠初期には、

・妊娠するかしないか・妊娠しても流産をするのではないか、など、どうなるか予想できない

 
・不妊治療や、妊娠して体が大変化をすることで、体の痛みや不調が出てきて、不安定でしんどい

・夫や周りとの人間関係の変化

 

など、激変する環境に、心身ともに、とんでもない負担がかかります。

 

双極性障害の私たちは、もともとがうつになりやすい体質。

自分自身のためにも、パートナーのためにも、そしてお腹の赤ちゃんのためにも、なるべく穏やかに過せるようにしたいですね。

 

 

おわりに

 

精神疾患に関しては妊娠を許可する基準やガイドラインがないそうです(飲んで大丈夫?やめて大丈夫? 妊娠・授乳と薬の知識 第2版 | 村島 温子 P.132より)。

 

ということは、正解は無いということです。

医師によって、どう考えるかも違ってくるかもしれません。

 

 

 

妊娠を希望するか、しないか。

子どもをもつか、持たないか。

 

それは、人生でとっても大きな選択です。

 

ましてや、双極性障害の人は、妊娠する際の薬の服用はどうするか、自分は妊娠・出産を乗り越えられるのか、大きな不安と悩みを抱えなければなりません。

 

 

 

どんな選択にも、メリットだけでなく、どうしてもデメリットも含んでしまいます。

 

 

大切なのは、自分が『納得していること』だと思います。

 

最終的には、自分で決めなければなりません。

 

でも、ひとりで決めなくても大丈夫です。

 

 

医師、そしてパートナーと一緒に、じっくり相談してみてください。

 

 

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

この記事で記載した内容に誤りがある場合や、実際の経験談などありましたらぜひお聞かせください。

 

 

 

 

 

(20190610追記、私の妊活の経過)

不妊治療外来に通い、ラミクタールを服用したまま妊娠OKと言われたので、タイミング法で妊娠を目指し始めました。薬の量は、ラミクタールを1日に200mgです(朝100mg、夜100mg)。この量は変更しない予定です。

200mgから減らさないのは、私の主治医は、「ラミクタールは200mg以上でないと効果がでない」と考えているからだと思います。たとえ減らしたとしても、効果が無いのであればいっそ飲まないのと同じ。逆に言えば、飲むなら、200mgは飲まないと意味がない、ということなんだと思います。

私は、AMH(卵巣年齢)検査の結果、同世代よりも卵子の数が少なく、卵巣嚢腫(皮様嚢腫)とPCOSもあったので、妊娠までは時間がかかることを覚悟していましたが、タイミング法の準備段階で妊娠が判明しました。

「胎児が小さすぎるので流産するかもしれません」と言われて一週間後に受診すると「赤ちゃんいますね」。そして転院した産科では「週数の割に胎児がでかいね」。流産すると言われて一旦は泣いて掻爬を覚悟したのに、今度は大きすぎると言われて、また不安に。でも、そんなショックなことがあっても、うつや混合状態にならず、大丈夫でした。こんな風に、妊娠中のいろいろな予測できない出来事に振り回されないためにも、ラミクタールを飲み続けたいなと思いました。

一喜一憂するなといっても難しいですね。妊娠には、自分の力でどうにもならない範囲が大きい、どんなことも起きる、状況はコロコロ変わる、と大きく構えていることが大事かもしれません。(私自身これからも気分の波に気をつけます…!)

 

転院する度に、気分安定薬を服用していることについて言及されました。医師に訊かれても揺らがないくらい、自分の意思(奇形が出たとしても、薬を服用しながら妊娠する)を固めておくといいかもしれません。

 

また、妊娠したことを母に伝えてから、喜んではくれましたが、「薬の服用を止めたら?」と何度も言われ、その言葉を何度も思い返してしまう自分もいます。「子にリスクを負わせている」と責められているようにも感じますし、「障害児はダメ」というメッセージで、障害を持つ私のことも否定されているように感じてしまいます。

もしリスクのある子が生まれた後の苦労を心配して言ってくれているんだと思います。

分かっているのですが、やっぱり不安になりますよね。

 

(20190626追記)

お産ができる産婦人科に転院しました。

そちらの主治医も、薬に対しては「飲んでいて大丈夫」という姿勢でした。

「産後の授乳できますか?」と訊くと、「できるけれども、もし心配なのであれば他の方法にしてみては」、ということでした。

ネットの口コミをみると、母乳育児に力を入れている産院のようなので、できるだけ母乳を飲ませたいのかもしれません。

私は牛の仕事を経験してみて、産まれて初めてのお乳「初乳」の重要性を感じました。自分の子にも、できれば初乳は飲ませたいと思っていたので、母乳を飲ませてもいいという答えを貰って、うれしく感じました。

 

(20190728追記)

先日、精神科を受診しました。主治医に「母乳は飲ませても大丈夫ですか」と質問してみたところ、精神科医は「なるべく飲ませない方がいい」という答えでした。

初乳だけでもあげてもいいでしょうか…と聞いたら、OKとのこと。

「ラミクタールは確実に母乳に移行する」「赤ちゃんがぼーっとしちゃうかも」と言っていました。

その意見を受け、今の私の「授乳」に対する考えは、初乳だけ飲ませて、その後徐々にミルクに切り替えてゆく、です。

産院が母乳育児に力を入れていそうなので、産後の入院中は母乳を飲ませて、退院したら少しづつミルクに切り替えてゆけたらと思います。

私自身、母は母乳の出が悪かったらしく、ほとんどミルクで育ったそうです。私は、脳は障害ありですが、体はとても丈夫です。

なので、ミルクで育てることにあまり抵抗は感じていません。

むしろ、夫にも夜間の授乳を手伝ってもらえるので、睡眠リズムを整えたり、しんどいときに誰かに頼ったりできるので、ミルク育児も良いな、と感じています。

幸い、夫も母も実家の家族も、ミルク育児には何も思わないようなので、引け目は感じなくて良さそうです。

 

 

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